膠原病内科このページを印刷する - 膠原病内科

概要紹介

膠原病内科では、膠原病内科医9名(専門医7名、レジデント3名)の体制で診療を行っております。
関節リウマチ・膠原病疾患は、皮膚・関節などの局所症状と共に、肺、心臓、腎臓、消化器、血液、中枢神経など全身のあらゆる臓器に障害を及ぼす全身性疾患であるため、患者さんの全身を診療することを基本姿勢として、さらに高度専門的医療を提供できるよう努力しております。外来を受診されている患者さんの数は約2,000名で全国でも有数の実績となっております。
関節リウマチの治療につきましては、メトトレキサートを中心とした抗リウマチ剤に加えて生物学的製剤、分子標的抗リウマチ薬を用いた治療を行っています。また、全身性エリテマトーデスや血管炎症候群などの膠原病に対しても、積極的治療方針で生物学的製剤を用いた治療も行っています。
入院治療では、関節リウマチ・膠原病を発症した患者さんに対して診断のための精査・治療導入、また、治療効果が十分でない患者さんの治療、合併症などにより他院で対応困難な難治性の患者さんの治療などに対応しています。

 

当科の特色

膠原病内科では、当院の基本理念に沿い、患者さん・ご家族の気持ちを尊重した診療を行っております。
膠原病は一般にはなじみの薄い病気ですが、丁寧な説明と応対に努め、患者さん・家族の皆様と医療チームとの十分な信頼関係の構築を目標としています。
 
  • 当科は九州における数少ない膠原病の専門内科であり、豊富な経験と実績に基づいて的確な診断と最新の高度専門医療に努めています。
  • 膠原病は皮膚・関節などの局所症状と共に、肺、心臓、腎臓、消化器、血液、中枢神経など全身のあらゆる臓器に障害を及ぼす全身性疾患であるとの認識のもとに、臨床各科との連携を深め、総合的医療に努めています。
  • 治療に際しては、副腎皮質ステロイド剤、各種免疫抑制剤、生物学的製剤、分子標的抗リウマチ薬や血液浄化療法などを病態・病状に応じて的確に選択し、積極的治療によりさらなる治療成績の向上を目指します。
  • 膠原病の克服を目標とする医学・医療の進歩に貢献するため、臨床研究などの情報発信を積極的に行っています。また、次世代の医療者を育てるため、研修医・レジデント教育にも力を注いでいます。

 

スタッフ情報

氏名(フリガナ)
宮村 知也 (ミヤムラ トモヤ)
卒業年
平成2年 卒業
役職・所属
  • 部長・科長
  • リウマチ膠原病センター 内科担当部長
  • 九州グループ医療担当参事 併任
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
  • 日本リウマチ財団登録医
氏名(フリガナ)
南 留美 (ミナミ ルミ)
卒業年
平成7年卒業
役職・所属
  • 部長
  • AIDS/HIV総合治療センター 部長
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医
  • 日本感染症学会専門医、指導医
  • 日本リウマチ財団登録医
  • 日本エイズ学会専門医、指導医
  • インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 日本化学療法学会専門医、指導医
氏名(フリガナ)
高濱 宗一郎 (タカハマ ソウイチロウ)
卒業年
平成14年卒業
役職・所属
  • 医長
  • 免疫感染症内科 医長
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医・指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医
  • 日本エイズ学会認定医、指導医
  • 日本感染症学会専門医、指導医
  • インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
氏名(フリガナ)
石田 素子 (イシダ モトコ)
卒業年
平成14年卒業
役職・所属
  • 医長
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
氏名(フリガナ)
中村 真隆(ナカムラ マサタカ)
卒業年
平成17年卒業
役職・所属
  • 医師
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
氏名(フリガナ)
増田 徹(マスダ トオル)
卒業年
平成23年卒業
役職・所属
  • 医師
専門医
  • 日本内科学会認定医
  • 日本リウマチ学会専門医
氏名(フリガナ)
田中 孝典(タナカ タカフミ)
卒業年
平成27年卒業
役職・所属
  • レジデント
専門医
  • 日本内科学会認定医
  • 日本リウマチ学会専門医
氏名(フリガナ)
野中 貴史(ノナカ タカフミ)
卒業年
平成30年卒業
役職・所属
  • レジデント
氏名(フリガナ)
今井 絵利華(イマイ エリカ)
卒業年
平成29年卒業
役職・所属
  • レジデント

診療実績

2023年(1~12月)の膠原病内科診療患者数は、表1に示すように、入院524名、外来2,003名、新規指定難病申請数63名、継続数731名でした。
関節リウマチの治療は、生物学的製剤・分子標的抗リウマチ薬(JAK阻害薬)の登場により近年目覚しい進歩があります。当科における2023年までの生物学的製剤・JAK阻害薬の累積使用患者数は、インフリキシマブ116名、エタネルセプト136名、アダリムマブ109名、ゴリムマブ36名、セルトリズマブペゴル14名、オゾラリズマブ1名、トシリズマブ176名、サリルマブ10名、アバタセプト103名、トファシチニブ67名、バリシチニブ24名、ペフィシチニブ14名、ウパダシチニブ18名、フィルゴチニブ11名です。また、関節リウマチ治療における医療費の高額化が問題となっており、その解決策の一つとして、後発医薬品(バイオシミラー:BS)の開発が進められています。当科では2015年よりBS治療を開始し、治療費の削減とともに切り替えによる安全性においても問題ないことを確認しております。現在もサイトカインシグナル伝達をターゲットとした分子標的治療薬が開発中であり、これらの新規治療に対応していきます。
全身性エリテマトーデスに対する治療は、副腎皮質ステロイド剤が基本となります。精神神経ループスやループス腎炎など重要臓器に病変を有する場合にはステロイドパルス療法、シクロフォスファミド、リツキシマブ、ミコフェノール酸モフェチルなどの免疫抑制剤、血液浄化療法を行っております。さらに、生物学的製剤であるべリムマブやアニフロルマブによる治療も積極的に行っております。
その他の膠原病性疾患についても、生物学的製剤使用を含めた積極的な診断・治療を行っています。
 

将来展望

国立病院機構免疫異常研究ネットワークグループに参加し、リウマチ・膠原病など免疫異常を原因とする疾患の専門医療施設として、高度医療、特に難病に対する専門的医療の充実を目標として努力しています。NinJaの名称で知られている日本最大規模の関節リウマチ患者さんのデータベースを有し、当科においても2022年度は528名(累計 1,120名)を登録しました。
今後の新しい治療薬に関しては、関節リウマチに対し種々の分子標的薬剤の開発が進み、使い分けを含めた治療法の層別化・個別化が待ち望まれています。さらに、今後も新たな後発医薬品であるバイオシミラーの発売が予定されており、高額医療費のため治療継続困難であった患者さんに対しても治療の進歩の福音がもたらされることが期待されています。
その他の膠原病に対しても、従来のステロイドを中心とした治療から、新規分子標的治療薬の開発が進行しており、難治性疾患の治療法の進歩に貢献できるよう治験診療なども積極的に行ってまいります。