膠原病内科このページを印刷する - 膠原病内科

概要紹介

当科では、膠原病内科医8名(リウマチ専門医6名)の体制で診療を行っています。
関節リウマチ・膠原病は、皮膚や関節だけでなく、肺、心臓、腎臓、消化器、血液、神経など全身のさまざまな臓器に障害をきたす全身性自己免疫疾患です。そのため、患者さんを全身的な視点から診療することを基本姿勢とし、高度で専門性の高い医療の提供に努めています。

現在、約2,000名の患者さんが当科外来を受診されており、九州でも有数の診療実績を有しています。

関節リウマチに対しては、メトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬に加え、生物学的製剤やJAK阻害薬を含む分子標的治療薬を用いた治療を積極的に行っています。また、全身性エリテマトーデス、ANCA関連血管炎、全身性硬化症、炎症性筋疾患などの膠原病に対しても、生物学的製剤や分子標的治療薬を取り入れ、最新のエビデンスに基づいた診療を実践しています。
入院診療では、新たに発症した膠原病・リウマチ性疾患の診断・治療導入に加え、治療効果が十分得られない患者さんや重篤な合併症を有する患者さん、他の医療機関では対応が難しい重症・難治例の診療を積極的に受け入れています。

 

当科の特色

当科では、当院の基本理念に基づき、患者さん・ご家族の思いを尊重した医療を実践しています。膠原病は一般にはなじみの少ない疾患ですが、病気や治療について分かりやすく丁寧に説明し、患者さん・ご家族と医療スタッフとの信頼関係を大切にした診療を心掛けています。
当科は九州における数少ない膠原病専門内科として、豊富な診療経験と実績を生かし、的確な診断と高度専門医療を提供しています。また、呼吸器内科、腎臓内科、循環器内科、脳血管・神経内科、皮膚科、整形外科・リウマチ科など院内各診療科と密接に連携し、全身性疾患である膠原病に対する総合的な診療を行っています。
治療にあたっては、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、分子標的治療薬、血液浄化療法などを病態に応じて適切に組み合わせ、できる限り副作用を抑えながら治療効果を最大限に引き出すことを目指しています。近年は、生物学的製剤や分子標的治療薬の進歩により、患者さん一人ひとりの病態に応じた個別化医療を積極的に行っています。
さらに、膠原病診療の発展に貢献するため、臨床研究や学術活動を積極的に推進するとともに、研修医・専攻医の教育にも力を注ぎ、次世代の膠原病診療を担う医療者の育成に取り組んでいます。

また、地域の医療機関との連携を大切にし、専門医療機関として診断・治療方針の決定や重症例・難治例への対応を担う一方、病状が安定した患者さんについては、かかりつけ医の先生方と協力しながら継続診療を行っています。紹介・逆紹介を円滑に進め、地域全体で膠原病患者さんを支える診療体制の構築に取り組むことで、「紹介しやすく、相談しやすい膠原病専門診療科」を目指しています。
 
 

スタッフ情報

氏名(フリガナ)
宮村 知也(ミヤムラ トモヤ)
卒業年
平成2年 卒業
役職・所属
  • 副院長
  • リウマチ膠原病センター
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
  • 日本リウマチ財団登録医
氏名(フリガナ)
石田 素子(イシダ モトコ)
卒業年
平成14年 卒業
役職・所属
  • 医長・科長
  • リウマチ膠原病センター 内科担当部長
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
氏名(フリガナ)
南 留美(ミナミ ルミ)
卒業年
平成7年 卒業
役職・所属
  • 部長
  • AIDS/HIV総合治療センター 部長
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医
  • 日本感染症学会専門医、指導医
  • 日本リウマチ財団登録医
  • 日本エイズ学会専門医、指導医
  • インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 日本化学療法学会専門医、指導医
氏名(フリガナ)
高濱 宗一郎(タカハマ ソウイチロウ)
卒業年
平成14年 卒業
役職・所属
  • 医長
  • 免疫感染症内科 医長
専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医、指導医
  • 日本リウマチ学会専門医、指導医
  • 日本エイズ学会認定医、指導医
  • 日本感染症学会専門医、指導医
  • インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
氏名(フリガナ)
増田 徹(マスダ トオル)
卒業年
平成23年 卒業
役職・所属
  • 医師
専門医
  • 日本内科学会認定医
  • 日本リウマチ学会専門医
氏名(フリガナ)
今井 絵利華(イマイ エリカ)
卒業年
平成29年 卒業
役職・所属
  • 医師
専門医
  • 日本内科学会内科専門医
氏名(フリガナ)
野中 貴史(ノナカ タカフミ)
卒業年
平成30年 卒業
役職・所属
  • 医師
専門医
 
氏名(フリガナ)
吉玉 健人(ヨシタマ タケト)
卒業年
平成31年 卒業
役職・所属
  • 医師
専門医
  • 日本内科学会内科専門医
  • 日本専門医機構 膠原病・リウマチ内科専門医

診療実績

2025年(1~12月)の膠原病内科診療患者数は、表1に示すように、入院606名(入院患者実数434名)、外来(再来)1923名、年間死亡者数は13名(剖検2名)、新規特定疾患申請数77名、継続数768名でした。
関節リウマチの治療は、生物学的製剤・分子標的抗リウマチ薬(JAK阻害薬)の登場により近年目覚しい進歩があります。当科における202年までの生物学的製剤・JAK阻害薬の累積使用患者数は、インフリキシマブ119名、エタネルセプト152名、アダリムマブ134名、ゴリムマブ40名、セルトリズマブペゴル18名、オゾラリズマブ2名、トシリズマブ226名、サリルマブ25名、アバタセプト119名、ファシチニブ77名、バリシチニブ51名、ペフィシチニブ28名、ウパタシチニブ31名、フィルゴチニブ21名です。また、関節リウマチ治療では、生物学的製剤やJAK阻害薬などの普及により治療成績が大きく向上した一方、医療費の高額化が課題となっている。その解決策の一つとして、先行バイオ医薬品と同等の品質、安全性および有効性を有する生物学的製剤の後続品(バイオシミラー:BS)の開発・普及が進められています。当科では2015年からBSを導入し、患者の治療費負担の軽減に努めるとともに、先行生物学的製剤からの切り替えについても、有効性および安全性に大きな問題がないことを確認しています。今後も、新たに開発される分子標的治療薬を適切に導入し、治療効果、安全性、患者負担を総合的に考慮した治療を実践していきます。 全身性エリテマトーデスの治療では、ヒドロキシクロロキンを治療の基盤とし、副腎皮質ステロイド薬は疾患活動性に応じて必要最小限の使用にとどめ、早期減量ならびにステロイドフリーまたは極少量維持を目標とした治療を実践しています。精神神経ループスやループス腎炎などの重要臓器病変を有する症例に対しては、ステロイドパルス療法に加え、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブなどの免疫抑制療法や血液浄化療法を病態に応じて選択し、さらに、生物学的製剤であるベリムマブやI型インターフェロン受容体阻害薬アニフロルマブを積極的に導入し、疾患活動性の制御とステロイド曝露量の最小化を目指した積極的治療を行っています。
その他の膠原病性疾患についても、生物学的製剤使用を含めた積極的な診断・治療を行っています。
2025年膠原病内科診療患者数

将来展望

国立病院機構免疫異常研究ネットワークグループに参加し、リウマチ・膠原病など免疫異常を原因とする疾患の専門医療施設として、高度医療、特に難病に対する専門的医療の充実を目標として努力しています。NinJa の名称で知られている日本最大規模の関節リウマチ患者さんのデータベースを有し、当科においても2025年度は426名(累計1546名)を登録しました。
今後の新しい治療薬に関しては、関節リウマチに対し種々の分子標的薬剤の開発が進み、使い分けを含めた治療法の層別化・個別化が待ち望まれています。さらに、今後も新たな後発医薬品であるバイオシミラーの発売が予定されており、高額医療費のため治療継続困難であった患者さんに対しても治療の進歩の福音がもたらされることが期待されています。
その他の膠原病に対しても、従来のステロイドを中心とした治療から、新規分子標的治療薬の開発が進行しており、難治性疾患の治療法の進歩に貢献できるよう治験診療なども積極的に行ってまいります。