地域がん診療連携拠点病院・がん診療統括部このページを印刷する - 地域がん診療連携拠点病院・がん診療統括部

地域がん診療連携拠点病院

当院は、厚生労働省より「がん診療連携拠点病院」の指定を受けております。これは全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう国が指定する医療機関です。
がん診療統括部は、当院が「がん診療連携拠点病院」として専門的ながん医療の提供や地域連携・がん患者さんやご家族に対する相談支援及び情報提供等を全う出来ているか、常にチェックし体制の維持と強化を行う部門です。

がん診療統括部

当院では様々な科があらゆる部位のがんに対し最先端の医療を提供しています。
がん診療統括部は、各科を統括し、『科の垣根を越えた組織横断的診療体制』でがん診療の充実発展を遂げるために立ち上がり、3つの部門からなります。また、当院が「がん診療連携拠点病院」として十分な機能を果たすために、常に指針に沿った体制の整備を更新しております。

 
組織図

がん診療統括部 3つのセンターの紹介

がん診療統括部は以下の3つの部門からなります
 

● がん相談支援センター

がん患者さんが安心して診療を受けられますよう、様々な相談に応じ、また適切な情報を提供する窓口です。

がん相談支援センター
 

● がん化学療法センター

外来治療センターには25床の治療ブースを設置しています。ここでは主に通院で抗がん剤の点滴治療(化学療法)(年間8000件前後)を行う患者さんが安全に治療できるよう、化学療法に精通した医師、看護師、薬剤師が業務にあたっています。

外来総合治療センター
 

● がん登録センター

当院で「がん」の診断・治療を行った方の発症部位、治療内容や予後などのデータを登録管理しています。徹底した予後調査を行い、毎年95%の症例の5年、10年予後の解析を行い、治療の標準化や新しい治療法の導入に繋げています。さらに予後改善や新規治療法の開発に繋げていけるよう努めています。
2022年の当院のがん登録患者さんの数は2602人でした。様々な領域の、様々な状態のがん患者の治療・支援をさせて頂いた結果と思います。
詳細はがん登録実績をご覧ください。

がん登録実績
 

がん診療連携拠点病院としての診療体制

当院は「がん診療連携拠点病院」として、以下のような診療体制を整えています。

  • 様々ながんについて、手術、放射線治療及び薬物療法を効果的に組み合わせた集学的治療、リハビリテーション及び緩和ケアを提供
     
  • 各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療等がん患者さんの状態に応じた適切な治療の提供
     
  • 上記のために様々なカンファレンスを開催
    1.専門とする分野を同じとする内科・外科・放射線科・病理などによる定期的カンファレンス
    2.上記に加え看護師・薬剤師・緩和ケアチームなどを加えた多職種カンファレンス(各部門キャンサーボード)(各部門1~2週1回)
    3.骨転移に関して臓器横断的にがん患者の診断及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンス
    →該当症例発生時に、骨転移カンファレンスを招集(リーダー:放射線科 大賀才路)
    4.原発不明がん・希少がんなどに関して臓器横断的にがん患者の診断及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンス
    →該当症例発生時に、カンファレンスを招集(リーダー:腫瘍内科 田村真吾)
    5.臨床倫理的、社会的な問題を解決するための、具体的事例に即した院内全体の多職種によるカンファレンス
    →第1・第3月曜日がん診療統括部ミーティング後に開催
    6.がん診療にかかわる全科が集まってのがん診療運営会議(年1回)
     
  • がんがもたらす様々な痛みへの対処
    1.がん患者さんがお持ちの様々な痛みについては、院内・緩和ケアチームと連携して痛みの管理に努めます【緩和ケアチーム
    2.難治性疼痛に対する神経ブロックは、院内麻酔科に依頼しています
    3.腹腔内のがん(特に膵癌など)がもたらす難治性疼痛に対しては、院内消化器内科と連携し、内視鏡下腹腔内神経叢ブロックを施行します
    4.骨転移がもたらす疼痛については、上記3)3のカンファレンスに基づき緩和照射を行います
    5.これらの疼痛緩和は連携する医療機関からのご依頼の場合にも施行可能です【地域連携室

 

様々な状態のがんへの体制と連携

希少がん

当院は希少がんの専門施設ではありませんので、以下の施設と連携をとっています。
九州大学希少がんセンター
 

小児がん

当院は小児がんの専門施設ではありませんので、以下の施設と連携をとっています。
九州大学小児科  九州大学小児外科  九州がんセンター小児・思春期腫瘍科
 

AYA世代のがん

1.AYA世代とは

様々な定義はありますが、15歳から39歳までの思春期・若年成人世代をAYA(Adolescent and Young Adult)世代といいます。
 

2.AYA世代のがんについての現状

AYA世代に発症するがんについては、他の世代に比べて患者数が少なく、疾患構成が多様です。
小児と成人領域の狭間で患者が適切な治療を受けられないおそれがあります。しかし、発生部位に準じて、各科が内科的・外科的あるいはこれらを総合してAYA世代のがん治療に専念致します。
 

3.AYA世代のがん患者の特徴

AYA世代は、年代によって、就学、就労、生殖機能等の状況が異なり、患者視点での教育、就労、生殖機能の温存等を考慮にいれる必要がある特徴があります。
 

4.九州医療センターの取り組みとして

【妊孕性(にんようせい)の温存・生殖サポート】
がんの治療が開始されると、妊孕性が失われる可能性があります。
当院では、患者さんの状態に応じて、産婦人科あるいは泌尿器科がこの問題について対応します。
また、福岡県ではAYA世代がん患者等妊孕性温存治療費助成事業における指定医療機関を指定しております。
必要時もしくはご希望時には、これら指定機関へのご紹介が可能です。

AYA世代治療実績 指定医療機関一覧

 

高齢者のがん

がんと闘う患者さんは年々高齢化されております。高齢のがん患者さんはがん以外にも高血圧、糖尿病ほか、様々な病気を併せ持つ方が多くいらっしゃいます。たくさんの併存疾患も考慮に入れたがん診療を実現するために、当院では院内の様々な科ががん患者さんをバックアップいたします。 また、在宅療養の方法などについては、がん相談支援センターが窓口となってご相談を受けるほか、実際の在宅支援へは地域医療連携室が窓口となって地域の訪問医・訪問看護との連携を行います。
 

身体障害を伴うがん

身体障害をお持ちのがん患者さんにも、安心してがん治療を受けられるよう、院内の様々な科ががん患者さんをバックアップいたします。